学生時代、ラジオをエアチェックしてよく聞いた。
エアチェックという言葉、今でも生きているのだろうか?
「夜はともだち」や「大入りダイヤル宵の口ワイド」を聞き始めた頃は、録音して聞くという発想はまだなかったのだが、その後、AMより音質のよいFM放送というものがあるというのを知り、親にラジカセを買ってもらうと、ラジオを録音するという行為に走るわけですね。
当時はラジオにベストテン番組がとても多く、特に日曜日のAMは朝から夕方までベストテン一色といってもいいくらい、民放各局、歌謡曲ランキング番組が名を連ねていました。そのせいか、当時の歌謡曲のヒットチャートには恐ろしく詳しかった私ですが(笑)、音質のよいFMで曲が1曲フルにかかるというのを知ってしまった私はカセットテープに当時のヒット曲を片っ端から録音するということを覚えるわけですね。当時の中学生のこづかいはたかが知れています。私のまわりの人間も、みんな同様にFMエアチェックをして独自のカセットテープを作っていました。そういう時代でした。
その後、2週間分のFM番組表が載ったFM誌が発売されているのを知ります。当時は「週刊FM」「FMレコパル」「FMfan」の三大FM誌が有名でしたね。私は、はじめは付録でついていたカセットレーベルのデザインがかわいかったことから「レコパル」誌を購読していたのですが、しばらくして「週刊FM」に変わり、最後は、後発創刊の「FMステーション」に落ち着きました。「FMステーション」は紙面が他の3誌よりも大きくて、情報量も多かった(ように感じた)わけですね。
NHK-FMや民放局で時おり放送されるライブ番組などは、一度しか放送されないことが多かったせいか、録音時はラジオの前に正座して待つくらい気合が入っていましたね。特に1980年はYMOのライブが春と冬に何度か放送されたせいか、エアチェックの鬼と化して、録音に臨んでいたのが懐かしい限り。他にもFM東京系の「ユアポップス」やNHKの「サウンドストリート」など大好きな番組は数多くあり、一日中FMを聞いていたこともあるほど。
そんな「エアチェック」という言葉、今はなんか全く聞かれなくなりました。FM誌が姿を消してしまったというのも大きいですが、今や、PCでストリーミングで聞けるということもあり、ラジオというメディアのあり方自体が変質してきているように感じます。またFMの番組カラーというものもだいぶ変わった感じがすごくしています。特にJ-Waveの開局当時と現在ではこうも変わるのかというくらいガラリとAM的なテイストを持ってしまったようです。別に悪いということではないですが・・・。
近年では、J-WAVEの深夜に放送されていた朗読番組「Suntory Theater Zero-Hour」がお気に入りでした。静寂につつまれた深夜の時間帯だけに、朗読と独特なBGMが自分の中にすっぽりと入ってきて、とてもここちよいひと時だったのですが、2年続いたところで終了してしまったのはとても残念です。読み手も非常にバラエティにとんだラインナップで、もっと続いてほしかった番組です。さすがに毎度エアチェックして記録するという習慣はすっかり薄れてしまった現在ですが、ラジオというメディアは大好きなので、今後も消えないでほしい願う次第です。
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