2008年3月7日金曜日

CM音楽

テレビを見ていると毎日様々なCMが次から次へと流れています。タイアップで既存のヒット曲が使用されていることも多いが、アーティスト・クレジットのない匿名のBGM曲というのも相当あると思う。その中には、歌詞に商品名を織り込んで効果的に商品宣伝するパターンや、歌詞のない、いわゆるインスト曲というのも結構あるのに気づきます。

私は学生時代の頃、CMをテレビから録音する習慣がありまして、気に入ったものは15秒(あるいは30秒)という短い時間にも関わらず、何度も再生して聞くのが好きでした。
そもそもは、学生時代に私が好きだったYMOやゴダイゴのメンバーが匿名でCM音楽を手がけていたことを知ったのがきっかけだったと思います。ゴダイゴの場合、タケカワユキヒデ氏が歌っていることが多く、しかも後にまとめてレコード化されたりしたので、作品を耳にする苦労はそれほどせずに済んだのですが(彼らはCM用のトラックとは別にサイズの長いトラックも録音していたため、レコード化がしやすかった)、YMO(特に坂本龍一さんが好きだった)の手がけたCM作品は、TVで流れているのを録音しない限り、他で聞くことがほとんどできなかったんですね。

21世紀に入ってようやく、坂本さんの過去のCM作品をオリジナルサイズのまま収録したCDがリリースされましたが(これ、すっごくうれしかった!)、当時はオリジナルCM曲だけを集めてレコード化するなんて、大滝詠一さんくらいのもので、権利関係の問題もありますが、商品化しても売れるなどとは絶対に思われていなかった時代ゆえ、実現はまず望めなかったと思います。最近、オン・アソシエイツというCM音楽制作会社に残された過去の音源がCD化されるという奇跡的な事態が起きていますが(感動)、当時から20年・・・ずいぶん時の流れが必要だったのですね。感慨無量です。

そんな時代、特に80年代前半から中期にかけての時代は、面白いCM曲がたくさんありました。当時、私が気に入っていたのは、坂本さんが手がけたものでは「ハナマルキ」「中華三昧」「東レ」「HITACHIビデオテープ」「サントリー」等々、彼のアルバム「音楽図鑑」の流れにつながるカラフルなインスト曲ですね。
坂本さんの場合、NHKのニュースのテーマ曲やジングルなどの制作もしていたり、自身が担当したFM番組のテーマなど、多岐にわたっていたので、追いかけるのがホント大変でした。当時、森本毅郎氏がキャスターを務めていた「朝のニュースワイド」(NHK)のテーマ曲と番組中に使用されたジングルは、とても教授らしいテクノテイストあふれる曲で、録音して何度聞いたことか。私のテーマ曲といってもいいくらいよく聞きました。

また、当時は他に井上鑑氏や久石譲氏などのテクノやミニマルテイストを持ったインスト曲もCMによく使用されていましたね。あ、あと、岩崎工さんという方もいました。TPOという幻のフェアライトシンセ・ユニットのメンバーで、この方のキューピーの曲やCanonの曲など、職人というに相応しいすばらしいクォリティでした。商品化を希望してしまいます。それから、樋口康雄さん、清水靖晃さん、三宅純さん、鈴木さえ子さん・・・、CMがらみでお気に入りになったアーティストはたくさんいます。

考えてみると、YMOやムーンライダーズ周辺のアーティストのサウンドが今でもとても好きなので、それはこの頃のCM体験で培われた部分が大きいですね。
社会人になるとともに、テレビから離れる生活になったりして、CMキャッチャーからも遠ざかってしまったわけですが、現在、大きなCDショップに入ると、CM音楽のためのコーナーがちゃんとあって、タイトルも豊富にあるので驚かされます。貴重なCMオリジナル音源が当たり前のように商品化される時代にやっとなったか・・・と、感慨もひとしおです。すばらしい。久しぶりにまたCMキャッチャーしてみようかな?

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