自分の中で久しぶりに原田知世が帰ってきた。
このたび、高橋幸宏氏が中心となって結成された新バンド「pupa(ピューパ)」のメインボーカルに彼女が決定したことが発表された。
高野寛、高田漣、堀江博久、権藤知彦という幸宏氏にとって気心のしれたメンバーに関しては、ある程度予想の範囲内のことでしたが、まさかメインボーカルが原田知世さんとは・・・個人的に予想外のうれしい知らせでした。
幸宏さんといえば、ここ数年の活動を見ても、ソロアルバム「Blue Moon Blue」のリリースおよびライブツアーの敢行。そして、木村カエラ嬢を迎えての新生サディスティック・ミカ・バンドのアルバム制作とライブ。さらに、あの伝説の「YMO」が「HASYMO」としてよみがえり、新曲のリリースに続くまさかのワンマンライブ敢行!・・・そんなかつてない精力的な活動でファンを喜ばせてきたわけですが、ここにきてさらなるビッグプレゼントという形での新バンド「pupa」の発表でした。なんか、すっげぇとしか言いようがない私です(笑)。
3/1(土)、東京・恵比寿ガーデンホールで行なわれた原田知世さんのコンサートに、鈴木慶一、大貫妙子、キセル、高木正勝・・・といったメンバーとともに、今回、彼女の最新アルバムにようやくの参加を果たした幸宏氏も登場し、ステージ上で公式に新バンドが発表された模様ですが、残念ながらライブに足を運べなかったことがとても悔やまれます。
慶一さんや大貫さんは、昔から知世さんのアルバム制作に関わってきたメンバーだったわけですが、幸宏さんが参加するのはなんと今作がはじめてとのことらしいです。ありそうでない組合せだったんですねぇ。その昔、YMOの盟友、坂本龍一さんプロデュースによる「撫子純情」というアルバム('84)がありましたが、そこにも幸宏さんの参加はなく、その後もなぜか共演が実現することはなかったようです。(「天国に一番近い島」という角川映画での役者としての共演は果たしておりますが)
ただ、幸宏さんのラジオ番組に彼女がゲスト出演するというのはありまして、私が今でも強烈に覚えているのが、幸宏氏が1983年に担当していた「オールナイト・ニッポン」です。(オールナイトも今年40周年だそうです。私もふけるわけです。)
知世さんがゲスト出演した回(1983.9)では、なんとYMOのメンバーもいっしょに出演するという豪華さで、ゲスト総出演で演った「スターウォーズ」のパロディ版ミニドラマというのがとても面白かったんです。ヨーダ役が細野さんという、それがやりたかっただけという話もありますが(笑)、ハン・ソロは教授、幸宏さんはルーク、知世さんはレイア姫と、ほとんど役は名ばかりのお笑い路線の脚色で、大爆笑なストーリーとなっていました(笑)。あの三宅裕司氏も劇団SETのメンバーとともにこの番組のレギュラーだったので、深夜とばかりにやりたい放題やっていたのでした。YMOの3人は本当にお笑い好きなんですね。そのテイストはYMOのラストアルバム「サービス」でも発揮されていますが、それにしても、ものすごい形での共演でした。
その当時、知世さんは教授(坂本龍一氏のこと)のファンだったということで、番組へのゲスト出演が実現した(さらには「撫子純情」プロデュースにつながる)わけですが、長い年月を重ねて、こうして2008年になって、ようやく幸宏さんと「バンド」という形でコラボが実現するというのは、なんというか、まさにいい感じに機が熟してくれたなぁという感じで、今から今夏にリリース予定のアルバムが待ち遠しいかぎりです。
この「撫子純情」というアルバム、いまだに私のCD棚に並んでおりますが、坂本龍一教授の「音楽図鑑」リリース時期に発表されただけあって、 同時代の彼のきらびやかなサウンドアレンジが聞ける貴重なアルバムでもあり、手放せません。白井貴子の曲なんか、初期フェアライトの独特の音色による味つけがいまだに気持ちいいです。(完全に、知世ちゃんより教授サウンド目当てで買ったのですね)
知世さんのボーカルは、わりと線が細く、歌唱力をアピールするタイプではないのですが、ネオアコ系とかアコースティック寄りのセミエレサウンド(そんな言葉があるのかどうかわかりませんが・・・)との相性がとてもよいみたいで、そこから醸し出される独特の味わいがとても好きです。
今回の新バンドの新しいサウンドも幸宏さんならではのエレクトロニカテイストを含みつつも、アコースティックな響きをうまくちりばめた、彼女の声が効果的に生かされるサウンドになるのではと思っています。ライブをやるとしたら、夏フェスということになってしまうのであろうか?それもちとつらいな・・・。せめてホールで・・・。 原田知世のデビュー曲「悲しいくらいほんとの話」、当時、よく聞きました(懐)。
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